見どころ

「日本プログラム」は、日本のいまを独自の視点で捉えたドキュメンタリーを紹介する部門です。震災直後の2011年と2016年の”いま”に対峙した4人の作家によるオムニバス作品『BETWEEN YESTERDAY & TOMORROW Omnibus 2011/2016』、歌舞伎町の案内人として知られる作家・李小牧の区議会員選挙運動を記録した『選挙に出たい』、劇映画で知られる堀禎一が満を持して世に放ったドキュメンタリーの秀作『天竜区奥領家大沢 別所製茶工場』、あくなき探求心で8㎜フィルムの終わりを見届け続ける村上賢司『後ろに振り向け!』、大西建児『幽霊 REEL1-6 総集編』、そしてヤマガタ・ラフカット 2015 の経験をて完成した『かえりみち』を上映致します。

上映作品

選挙に出たい

監督: 邢菲(ケイヒ)
中国/2016/78分
会場:F4 フォーラム4
8日15:15 | 9日16:00
監督 質疑応答あり

これはアジア一の歓楽街・歌舞伎町で20年以上、飲食店や風俗の客引きをしてた李小牧が、新宿区議会選に出馬する過程を追ったドキュメンタリー。
日本初の中国出身政治家を目指す李だが、なぜ日本で政治家になろうとしたのか。
選挙活動を続ける中で彼が感じた “日本 ”、“民主主義 ”とは何か。

天竜区奥領家大沢 別所製茶工場

監督:堀禎一
日本/2014/64分
会場:F4 フォーラム4
上映日:7日13:00 | 8日13:00

静岡県浜松市の最北部にある急峻な山中腹、標高 740m 740mに位置する斜面集落、大沢集落。
眼前に麻布山を望み、深い谷の底を流れる白倉川の清流を見下ろす美しい眺望を持つ。
そこで、5月後半、新緑の季節に行われる大沢の急勾配での茶摘み、そして製茶までの工場での加工の様子を静かにとらえる。
※監督のご逝去により、監督による映画祭参加はございません。

後ろに振り向け!

監督:村上賢司
日本/2017/45分/8mm
上映日:8日
監督 質疑応答あり

「窓から見える夕日が美しかった」。そんなことがきっかけで始まったシングル8による映画作りは手元にあったあフィルムが全て使い切るまで続けられた。
この作品の音声は撮影時に録音されたものと、上映時にカセットテープで再生されるものが混在する。また場合によっては映写技師が観客に呼びかける。

幽霊 REEL-1〜6 総集編

監督:大西健児
日本/2017/8mm/80分
上映日:8日21:00
監督 質疑応答あり

映画というものが質量をもつ記憶として空間と時間、眼前の事象“エレメンタル”を皮膚感覚として暗箱を介し集積する愚直なシステムであったことをこの骨董玩具は図らずもよく体現していた。
「シネマトグラフが 不自由なガワを脱ぎ捨て新たな次元に移行して久しいが、こちとら天邪鬼なので身体へと回帰するよ。」

かえりみち

監督:大浦美蘭
日本/2016/48分
会場:F4 フォーラム4
監督 質疑応答あり

福島県浪江町に暮らしていた大浦家は、原発事故で避難を余儀なくされた。
数年後、上京した長女の 美蘭は、自分の「被災者」という立場に疑問を抱き、家族にカメラを向け始める。次第に浮かび上がる家族の関係や、突きつけられる現実に揺らぎながら、家族はそれぞれのかえりみちを模索していく。

BETWEEN YESTERDAY & TOMORROW Omnibus 2011/2016

企画:前田真二郎
監督:鈴木光、大木裕之、池田泰教、崟利子
日本/2017/43分
会場:F4 フォーラム4
上映日:8日17:45 | 9日13:00
企画者、監督質疑応答あり

ウェブムービ・プロジクト『BETWEEN YESTERDAY & TOMORROW』は、3.11 東日本大震災が発生した2週間後にスタート。
多数の映像作家が「指示書」をもとに5分の映画を制作した。2016年、以前参加した映像作家が再度制作し、新たなオムニバス・ムービーが完成した。