山形国際ドキュメンタリー映画祭のフリーペーパー「ドキュやま!」

山形国際ドキュメンタリー映画祭事務局では2ヶ月に一度のペースでフリーペーパーを作成しています。「山形国際ドキュメンタリー映画祭」の開催は2年に一度の8日間だけですが、事務局は映画祭がない期間も日常的に活動を行なっており、金曜上映会をはじめとする定期上映会はもちろんのこと、プレイベント企画や映像制作ワークショップなど、様々な企画を通して多くの皆さんにより身近に映画・映像に親しんでいただく機会を生み出しています。

そうした日々の活動と2年に一度やってくる「山形国際ドキュメンタリー映画祭」の開催をお伝えするツールとして、この「ドキュやま!」を山形県内各地に広く配布しています。

ちょうど2018年2月&3月号が刷りあがりましたので、今回はその紙面を少しだけご紹介いたします。

 

「ドキュやま! 2月&3月号」A4判四つ折りが基本形

通常は手に取りやすいように写真のような四つ折り状態で設置されることが多いです。A4判の四つ折りですので、場所を取らず、お店のレジ横などに置いてもらいやすいような形にしています。

 

「ドキュやま! 2月&3月号」表紙面

今回の表紙は映画祭の学生ボランティアチーム「ドキュ山ユース」の有志が企画してくれた自主上映会上映作品より『乱世備忘ー僕らの雨傘運動』の場面写真がメインとなっています。四つ折りにした時に裏面になる部分には3月21日に開催する「子どもの映画教室」情報。毎年この時期に行なっている「子どもの映画教室」は、当映画祭のコンペ部門に応募された作品を収蔵する「山形ドキュメンタリーフィルムライブラリー」を会場とするのが恒例になっています。今回は35mm映写機を見て触ってフィルム映写を体感してみたり、漂白したフィルムにマジックで絵を描いたり色を塗ったりして映像と音をつくるワークショップなどを行う予定です。とても簡単なワークショップなので、小さなお子さんでも存分にお楽しみいただけます。自分で描いた絵が大きなスクリーンに映るのを見るなんて、なかなかできない体験ですね!

 

「ドキュやま! 2月&3月号」中面メインページ

中面のフルカラーメインページは、今回の目玉企画「ドキュメンタリー映画を体感してみませんか? 〜高校生による上映会〜」情報です。映画祭の学生ボランティアチーム「ドキュ山ユース」の中から、7人の高校生たちが集い、作品選定からゲスト招聘、上映会当日の会場運営から司会進行、ディスカッションまで全てを自分たちの手で作り上げる自主上映会に取り組んでいます。高校生たちが作った告知チラシのデザインをそのまま流用して「ドキュやま!」でも紹介しています。「山形国際ドキュメンタリー映画祭 2017」アジア千波万波部門で多くの話題を集めた2作品を上映し、監督ともディスカッションをするこの企画。高校生たちにとっては何もかもはじめての経験ですが、試行錯誤しながらも、とても楽しみながら活動している姿に自主上映の原点を見せられているようで、私たち映画祭事務局も活力をもらっています。

 

「ドキュやま! 2月&3月号」恒例の金曜上映会情報

中面のモノクロページは恒例の「金曜上映会」情報です。ひと月に2回開催する定期上映会ですので、今回は2月と3月分の計4回の上映作品を紹介しています。2月1回目の上映はちょうど高校生たちによる自主上映会直前ということで、そちらで上映する『乱世備忘ー僕らの雨傘運動』(山形国際ドキュメンタリー映画祭 2017 小川紳介賞)に関連して、小川紳介監督の初期作品『圧殺の森 高崎経済大学闘争の記録』を山形では久しぶりに上映します。これは見逃せませんね! さらにご注目いただきたいのは3月24日(この回は土曜日開催の特別版です)の上映です。当映画祭が東日本大震災関連ドキュメンタリー作品の収集と保存・活用を行なっている「311ドキュメンタリーフィルムアーカイブ」より2作品を上映し、監督をお招きして、様々に意見交換する機会を設けます。東日本大震災で被災した地域の「記録映像」を、地域の「記憶」として引き継いでいく「地域映画」プロジェクトの取り組みをご紹介します。こちらもぜひ足をお運びください。

 

「ドキュやま! 2月&3月号」その他の活動紹介

山形国際ドキュメンタリー映画祭の開催地であり、2005年まで主催となっていた山形市が2017年10月31日付にてユネスコより「創造都市ネットワーク」の映画部門に認定されました。山形市が進める創造都市推進事業の一環として定期的に開催している「やまがた創造都市カフェ」の紹介などを掲載しています。〈フィルムを捨てないで!「懐かしい」を未来へ!〉は、かつてご家庭で撮影された8mmフィルムなどを調査、収集、デジタル保存するプロジェクトです。今でいうホームムービーとして撮影された小型映画フィルムは、何が映っているかわからないままに、蔵や倉庫、物置などに放置されているケースが散見されます。そうしたフィルムには、大正・昭和初期、戦前戦後の当時の生活や歴史の断片が映り込んでいたりもするんですね。この貴重な映像を後世に残していく活動も当映画祭事務局は行なっており、その調査・研究の成果は「やまがたと映画」プログラムとして映画祭開催時に上映という形でお披露目をしてきました。捨ててしまう前に、当映画祭事務局にご連絡をいただければ、何が映っているのか内容確認をして、場合によってはデジタル化しますよ、という呼びかけを毎回「ドキュやま!」を通して行なっています。

「ドキュやま!」は2ヶ月に1回、月の頭に発行しています。山形市内の公共施設、書店などで手にすることができます。また当映画祭の公式サイトでも最新のものはもちろん、バックナンバーもPDFとしてダウンロードしていただけます。(http://www.yidff.jp/pub/docuyama/docuyama.html)

ぜひお手に取ってみてはいかがでしょうか?

 

(文責:山形映画祭事務局)