金曜上映会特別版
「ともにある 2017」特別上映会:「震災と『地域映画』の未来」

「ともにある2017」関連特別上映会を開催いたします!

3月24日(土)
14:00より(1回上映)

上映作品:

『よみがえる大船渡』監督:三好大輔/日本/製作:東京藝術大学/2014/25分
『よみがえる浪江町』監督:三好大輔/日本/製作:東京藝術大学/2015/33分

三好大輔監督来場、上映後トークあり

今回は、震災後、東京藝術大学のプロジェクトチームが被災地大船渡市と浪江町の住民の方々に呼びかけ収集した、古い写真や8ミリホームムービーの断片をまとめ、作品として公開した二本を上映します。

祭や結婚式、運動会、神社の草刈り、家の前で遊ぶこどもたち。当たり前の日常、息遣い、かけがえのない家族の思い出が記録された昭和の古いフィルムが、被災後に修復され、デジタル映像として生き生きとよみがえりました。

 

浪江町にて撮影  © TOKYO UNIVERSITY OF ARTS

 

大船渡にて撮影された写真。震災時のダメージも可能な限り修復された。  © TOKYO UNIVERSITY OF ARTS

本作の監督であり、被災地だけでなく、安曇野や小豆島など全国各地で家庭の8ミリフィルムを発掘・収集・保存し、住民とともに町の歴史・風景の継承を続けている映像作家・三好大輔氏をお招きし、その「地域映画」の取り組みについてもお話をうかがいます。ご興味のある方はぜひご参加ください!

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山形国際ドキュメンタリー映画祭では、2011年の東日本大震災発災以降、震災についての記録映画を上映する特集プログラム「ともにある Cinema with Us」を開催してきました。また映画祭本番だけでなく、毎月二回、山形ドキュメンタリーフィルムライブラリーで開催している金曜上映会でも、震災に関する映像作品を定期的に上映しています。

2014年2月28日に開催した金曜上映会では、YIDFF2013「ともにある」上映作品の中から、高野裕之監督『仙台市の下水道災害復旧』、岡達也監督『南相馬市原町区 ぼくの町の住人』をアンコール上映。

監督お二人をお迎えして制作についてのお話を伺うとともに、会場では「耳を澄まそうプロジェクトvol.2」による「みんなの写真展」も同時開催。南相馬の方々、災害ボランティアの方々がコンテスト応募のため撮影した写真の数々を展示しました。

 

高野裕之監督(右端)と岡達也監督(中央)[2014年2月]
耳を澄まそうプロジェクトvol.2「みんなの写真展」[2014年2月]

2016年3月24日(金)の上映会では、小森はるか・瀬尾夏美監督作品『波のした、土のうえ』(2014)を上映。監督のお一人である画家・作家の瀬尾夏美さんに来場いただきました。

上映後に、彼女の絵画作品の展示とともに、作品のロケ地であり彼女たち自身が3年暮らした岩手県陸前高田市の状況や、住民の方々との交流などについてお話いただきました。また、ご著書の中の一節も朗読くださいました。訥々とした彼女の語りを通して、被災後の喪失感、長年暮らしてきた故郷への思いが胸に染み入るようでした。

 

瀬尾夏美さんのトーク [2016年3月]
変わりゆく陸前高田の町を描いた色鮮やかな作品 [2016年3月]

この震災復興に関する定期上映会は今年も続きます。記録映像や展示などを通して、被災地域の状況、風景の変容、復興の道のりを知り、語り合う場となるよう、さまざまな企画を行なっていきます。引き続き、ぜひご参加ください!

 

(山形映画祭事務局:畑あゆみ)