5月24日の金曜上映会〈YIDFF 2017 アンコール 14:自画像/章梦奇(ジャン・モンチー)〉

今回の金曜上映会はパフォーマーでもある章梦奇(ジャン・モンチー)監督による実験的な2作品をお届けします。中国の産地の小さな村で7人の子どもをもうけ、厳しく貧しい苦難の人生を送ってきた老女と、若い女性の生活を描く『自画像:47KMに生まれて』。大学を卒業したばかりの監督が世代間の対話を試みる『三人の女性の自画像』。女性たちの生活に寄り添ってきた章梦奇(ジャン・モンチー)監督の眼差しをご体感ください。お待ちしております。

『自画像:47KMに生まれて』 14:00-、19:00-(2回上映)

『自画像:47KMに生まれて』

山形国際ドキュメンタリー映画祭 2017 アジア千波万波上映作品

監督:章梦奇(ジャン・モンチー)/中国/2016/102分

作品紹介:

中国の山地の小さな村の風景のなかに老女と若い女性の生活を描く。老女は7人の子どもをもうけ、厳しく貧しい苦難の人生を送ってきたことを語り、腰を曲げて歩く姿が延々と映される。若い女性は学校のこと、働きに出たこと、ボーイフレンドのことなどを語る。監督自身と老女が手を組み合わせたり、女性たちが身体を動かすパフォーマンスを行ったり、若々しい実験も試みている。乾いた風景の映像に、監督の親しみあふれる視線が心にしみる。

 

『自画像:47KMに生まれて』

監督のことば:

本作は「自画像シリーズ」の7作目で、私がこの「47キロ」と定義している村に来て6回目の冬に作った作品です。6度目の冬で、私はこの村の孤独、没落そして死を目にしました。にもかかわらず、なぜまたこの場所に帰るのか、私は自問しました。21歳のある女性は、この冬第二子を出産しました。ひとつの新たな生命は、この村に「生」の兆しをもたらすでしょうか?

新しいお母さん、年を重ねたお母さん、彼女たちは私に、生存すること、育むことを訴えかけます。汗と涙が集まってできた川は、とめどなく流れ続けます。この死にかけた土地でも、生命力は依然として強烈な輝きを放っているのです。その流れる川の前で、私は沈黙しません。

章梦奇(ジャン・モンチー)

 

『自画像:47KMに生まれて』

『三人の女性の自画像』 16:10-(1回上映)

『三人の女性の自画像』

山形国際ドキュメンタリー映画祭 2011 アジア千波万波上映作品

監督:章梦奇(ジャン・モンチー)/中国/2010/75分

作品紹介:

大学を卒業したばかりの23歳の監督は、一緒に暮らす母と祖母に反発しながらも、世代間の対話を試みる。結婚や出産、女として当然視されることに、怒りや疑問を投げつけながら、真実の愛を模索する。女であることの愛と憎しみを自身のみならず、母や祖母からも絞り出すパワーが炸裂。パフォーマーでもある監督は、自身の肉体に母の映像を投影する表現を用い、失恋をバネに、画面からはみ出さんばかりに、思い切りシャウトする。

 

『三人の女性の自画像』

監督のことば:

今年、私は23歳になった。女性がお腹に夢を宿す年齢だ。しかし、私たちは自分の夢を大切に育てながらも、他の2人の女性の夢も自分の肩に背負っていかなければならない。本作は、自分自身を探すことから始まった。そこから母親、彼女の母親の人生を探求することへと続いていき、異なる時代を生きた3世代の女性たちの体に流れる血を辿った。抑圧的な結婚生活に苦しんだ祖母は、母には美しく完璧な結婚を望んだ。母もまた結婚の犠牲者になると、今度はその希望を私に託した。結婚はすべての少女たちの夢かもしれないが、その夢を殺す犯人でもあるのだ。

章梦奇(ジャン・モンチー)

 

[会場]山形ドキュメンタリーフィルムライブラリー試写室
[料金]鑑賞会員無料(入会金・年会費無料)
[主催]認定NPO法人 山形国際ドキュメンタリー映画祭
[問い合わせ]電話:023-666-4480 e-mail:info@yidff.jp