Yearly Archives: 2019

AM/NESIA:オセアニアの忘れられた「群島」 みどころ

みどころ

“AM/NESIA”とは━━

記憶喪失や健忘症を意味する「AMNESIA」という単語に “nesia”(島)の意味を込めて、“もうひとつの忘れられた地理としての太平洋諸島”という意味の造語。

かつて日本および米国に支配を受け、地球上で最も植民地化軍事化の進んだ地域の一つであるオセアニアの島々を中心に、映画を通して日本とのルート(経路)とルーツ(起源)を探る。

今回の特集では、<土地(ランズ)><身体(ボディーズ)><交差(クロッシングス)>、と3つのテーマを設けて作品を上映。

<交差(クロッシングス)>で上映する『海の生命線 我が南洋群島』(1993)は、軍国化を進める日本が、南洋群島と呼ばれた島々を統治する過程を描き、島がある種ユートピアとして映し出される文化映画としても魅力的な一作。サウンド付きの完成版は日本初上映。

<土地(ランズ)>では、人々のアイデンティティの起源となる土地が如何に剥奪されてきたかをマーシャル諸島の作品を中心に辿る。

2014年にニューヨークで開催された国連機構サミットの開会式で披露したポエトリーリーディングで喝采を浴び、国際的認知を得て活動の場を広げている、マーシャル諸島出身の気候変動活動家であり詩人アーティストのキャシー・ジェトニル=キジナーをゲストに迎えたイベントも開催。

これまで67回の核実験が行われたマーシャル諸島の現状を、新作『立ち上がって 島から島へ』(2018)では、沈みかけている島マーシャル諸島と、氷河が溶けて島の存続が問題のグリーンランドについて、2人の詩人キャシー・ジェトニル=キジナーとアカ・ニワイアナが、“詩”を通して交流する感動的な一作。

<身体(ボディーズ)>では、物理的な身体と、自分たちのアイデンティティが植民地主義や軍国主義によって如何に消失させられたかを映し出す作品を上映。

『戦場の女たち』(1990)では、第二次大戦中、性的搾取された女性たちの心の傷とトラウマに苛まれながら生き続けることへのインタビューに加え、当時島に従軍していた日本軍兵士にもインタビューを敢行。昭和天皇が崩御した1989年に作品が完成してから30年が経つ。

短編集(リーフ・リールズ)1では、グアム、マーシャル諸島を中心に文化伝統の記憶と忘却をめぐる作品を6作品上映する。

短編集(リーフ・リールズ)2では、ジェンダーとアイデンティティにフォーカスした4作品を上映。クイアアートのコレクティブFAFSWAGがダンスと言葉でクイア性の解放を表現する『タマトア』など3作品を上映。

<交差(クロッシングス)>

『海の生命線 我が南洋群島』Lifeline of the Sea

撮影総指揮:佐伯永輔/日本/1933/72分

戦前期に大日本帝国海軍の肝いりで製作されたこの国策映画は、かつて日本がオセアニアへの入植を積極的に行っていた事実がありながらも長らく忘れ去られている、あの時代のことを想起させる。かつて南洋群島(南洋諸島委任統治領)と呼ばれ、現在はパラオ共和国、北マリアナ諸島自治連邦区、ミクロネシア連邦、マーシャル諸島共和国として知られる国や地域における、日本人の入植から太平洋戦争勃発へと、軍国化の一途をたどってゆくまでの過渡期の様子が、本作では描かれている。島々の描写が楽園から戦場へと徐々に変化するにつれ、映画のトーンもまた、ユートピアめいた光景が影を潜め、次第に国粋主義的な熱を帯び始める。YIDFF ʼ91では32分サイレント版が35mmで上映されたが、今回はサウンド付きの完全版を16mmで上映する。

『潮の狭間に』Between Tides

監督:フォックス雅彦/日本、アメリカ/2018 /87分

第二次世界大戦後、米施政下に置かれ、1968年に日本に返還された小笠原諸島。別名ボニン諸島。17世紀頃から続く欧米諸国や太平洋諸島の人々による入植の歴史によって、多様な出自をもつ島人たち。なかでも返還時に青少年期だった欧米系の住民は、日米の政策に翻弄された。人々の率直な語りから、葛藤を抱えて生きてきた彼/彼女らの人生を紐解き、知られざる小笠原諸島の一面を照射する。

『トーキョー・フラ』Tokyo Hula

監督、製作:リゼット・マリー・フラナリー/ハワイ[アメリカ]/72分

かつて行われた日本本土や沖縄からハワイへの移住は、日本とオセアニアを歴史上はじめて有意義なかたちでつないだ架け橋のひとつだった。日本はミクロネシアを正式に植民地とし、戦時中、他の多くの島々に侵攻したわけだが、日本人が南洋に対し抱くロマンティックな欲望のシンボルは、あくまでハワイの文化であり続けたのである。なかでもフラは、太平洋を越えて日本へと渡り、ハワイアン・フラダンスの講師にとっては、熱帯に逃避したい多くの日本人の欲望を体現する割のいいビジネスとなっている。本作では、フラがこうした矛盾を抱え複雑に絡み合いながら、ホノルルから東京、そして震災後の福島へと海を越えていく経路を辿る。

<土地(ランズ)>

『核の暴虐—機密プロジェクト4.1の島々』Nuclear Savage: The Islands of Secret Project 4.1

監督:アダム・ジョナス・ホロヴィッツ/マーシャル諸島、アメリカ/2011/87分

1946年6月から1958年7月にかけ、マーシャル諸島北部の環礁群は、数にして67回、広島型原爆が一日にひとつ落とされるにも匹敵する核実験による被曝に見舞われた。なかでもアダム・ジョナス・ホロヴィッツが精査するのは、爆発の威力がもっとも強く、日本でも漁船「第五福竜丸」が被曝したことでよく知られる、アメリカの「ブラボー実験(キャッスル作戦)」がもたらした影響である。放射性降下物の人体への影響をめぐるアメリカの研究「プロジェクト4.1」を調査する本作品は、生存者の証言や反核運動のみならず、危険なまでの放射性降下物に曝されたロンゲラップ環礁において、マーシャル人の土地と身体にもたらされた被害が「不慮の事故」であるとする、アメリカ国内の否定論にも焦点を当てている。

キャシー・ジェトニル=キジナー作品集

マーシャル諸島の詩人・アーティスト・環境活動家であるキャシー・ジェトニル=キジナーは、優れた先見性のある若きリーダーとして、これまで作品を通じて太平洋地域の若者たちを鼓舞し、この地域の人々が直面している課題を世界に広める役割を担ってきた。2014年に国連気候変動サミットの講演者に選ばれて行った詩のパフォーマンスが各国指導者からスタンディングオベーションで迎えられたことに後押しされ、活動を展開している。気候変動を食い止め、核の遺産への意識を高めよう、そしてまたマーシャルをはじめとした太平洋の島々の住民のために、正義を勝ち取り癒しを与えようと奮闘する彼女は、そうした声を怯むことなく発信しつつ、世界各地で映像詩やアート、パフォーマンスの制作を続けている。

『ねえ、マタフェレ・ペイナム』Dear Matafele Peinam

監督:キャシー・ジェトニル=キジナー、ナタリア・ヴェガ=ベリー/マーシャル諸島、ハワイ[アメリカ]、アメリカ/2014/3分

『かごから落っこちた島々』Islands Dropped from a Basket

監督:キャシー・ジェトニル=キジナー、ラッセル・トゥーラグ、ユウ・スエナガ/マーシャル諸島、アメリカ/2017/5分

『聖なる力』Anointed

監督:キャシー・ジェトニル=キジナー、ダン・リン/マーシャル諸島、アメリカ/2018/6分

『立ち上がって 島から島へ』Rise: From One Island to Another

監督:キャシー・ジェトニル=キジナー、ダン・リン/マーシャル諸島、カラーリットヌナート(グリーンランド)[デンマーク]、アメリカ/2018/7分

『アノテの箱舟』

監督:マチュー・リッツ/キリバス、カナダ/2018/77分

地球温暖化による海面上昇のために国土を失いつつあるキリバス共和国。国民から愛されているアノテ・トン元大統領は、現状に大きな危機感を募らせ、国際社会に現状を訴える傍らで国民の移住計画を模索する。一方、ニュージーランドへの移住権を得た6人の子を持つ若き母サーマリーの葛藤も描かれる。広大な太平洋に位置する国家の危機は、私たちと決して無関係ではないことを静かに力強く訴える。

<身体(ボディーズ)>

『戦場の女たち(英語版)』Senso Daughters (International Version)

監督:関口典子/オーストラリア、パプアニューギニア、日本/1990/54分

戦時中、兵士の「慰安」のために女性たちを性奴隷とした日本の行為は、アジア太平洋全域にまで及ぶものだった。1980年代の終わり、戦中にその地位にあった昭和天皇(裕仁)が歿して間もない時期に撮られたこの作品は、太平洋戦争初期に日本の侵攻によって地元住民に甚大な被害をもたらしたパプアニューギニアを舞台に、島民女性たちがトラウマに苛まれながら回想し、かつてこの地で組織的に行われた性暴力を描き出す。本作が作られた平成のはじめには、暴掠の限りを尽くした加害者も被害者も存命中で、そうした暴力を記録する時間も残されていた。今日この映画を観ることは、新たな世代の人々にとって、令和という新時代における忘却と歴史修正主義を超え、その先を見通す一助となることだろう。

『島の兵隊』Island Soldier

監督:ネイサン・フィッチ/ミクロネシア連邦、アメリカ/2017/85分

「太平洋の宝石」とも呼ばれるミクロネシア連邦のコスラエ州(島)では、多くの島の若者たちが、米軍への入隊を選択している。第一次大戦後、日本の施政下に置かれ、太平洋戦争では戦渦を受け、戦後は米施政下に置かれたミクロネシア。1986年に独立を果たすも、アメリカとの防衛協定のために本土を上回る高い入隊率を維持してきた。イラクやアフガニスタンへ派兵される島の住民と家族の姿をアメリカ人監督が丹念に追う。米軍家族の直面する悲しみや矛盾する現実に立たされる姿が胸に突き刺さる。

『遠く離れて』Out of State

監督:シアラ・レイシー/ハワイ[アメリカ]/2017/82分

米アリゾナ州の砂漠に立つ刑務所のなかで、力強いフラを踊るハワイ出身の受刑者たち。ハワイの刑務所が過密状態となったため、故郷から何千マイルも離れた場所に送られた彼らが、自分たちの伝統文化を再発見し、互いに結束を強める。刑期を終え、保護観察となったデイヴィッドとヘイルは、帰国して新しい生活を始めるが、貧困や家族の葛藤に直面することとなる。ハワイの現実に向き合い、観光地や癒しの島というイメージとは対極にある一面を描き出す。

『クム・ヒナ』

監督:ディーン・ハマー、ジョー・ウィルソン/ハワイ[アメリカ]/2014/77分

植民地化によって変化したのは土地だけではない。そこに住む人々の身体もまた変容を余儀なくされた。とりわけ、植民者が押しつける性別二元性に値しないアイデンティティを持つ人たちやその歴史は、無視されてきた。フラをはじめとしたハワイの伝統文化の師範であり、先住民コミュニティの指導者として尊敬を集めるクム・ヒナの内からみなぎる力は、周囲にも影響を及ぼしている。第3のジェンダー「マーフー」として中間のどこかに男性・女性、いずれの精神をも宿すクム・ヒナは、住民や土地と調和して暮らしていくのに欠かせない実践と知識それ自体を消し去ろうとする、植民地時代の還元主義的な教えを覆していくことで、ハワイを癒していくのである。

短編集(リーフ・リールズ) 1

本特集ではさらに、周辺地域も含むオセアニアの短編映画をふたつのプログラムに分けて上映する。短リーフ・リールズ編集1では、現代のオセアニア北部における記憶と忘却をめぐる、世代や国を超えた挑戦をテーマにした作品上映、ディスカッションに加え、レニ・レオン、クレイグ・サントス・ペレス、マリキータ・デイヴィス、ジャック・ニーデンタール、そしてフィルム・コレクティヴのMighty Islandといったアーティストらによる短編作品群も併映する。

『オセアニア讃歌』Praise Song for Oceania

監督:ジャスティン・アー・チョン/ハワイ[アメリカ]/2017/5分

『マゼランはここの住人ではない』Magellan Doesn’t Live Here

監督、脚本:マリキータ・デイヴィス/グアハン(グアム)[アメリカ]/2017/21分

『POW! WOW! グアム:ありのまま』Pow! Wow! Guam: Naturel

監督:カイル・ペロン、ニコ・セルネオ/グアハン(グアム)[アメリカ]/2017/2分

『イ・マタイ(死体)』I Matai “The Dead”

監督、編集:カイル・ペロン、ニコ・セルネオ/グアハン(グアム)[アメリカ]/2016/10分

『ナナの言葉』Nana’s Words

監督、脚本、編集、製作:レオナード・“ レニ”・レオン/グアハン(グアム)[アメリカ]/2012/7分

『草履』Zori

監督、製作:ジャック・ニーデンタール、スザンヌ・チュタロー/マーシャル諸島/2013/9分

短編集 (リーフ・リールズ) 2

短編集 (リーフ・リールズ) 2は、脱植民地化を背景にしたジェンダーとアイデンティティの問題に焦点を絞り、トンガにおけるジェンダー・マイノリティ差別を描いた短編『レディ・エヴァ』、またニュージーランドを拠点とするクイア・アート・コレクティヴ「FAFSWAG」の3作品を上映する。

『レディ・エヴァ』Lady Eva

監督:ディーン・ハマー、ジョー・ウィルソン/トンガ、アメリカ/2017/11分

『タマトア』Tamatoa

監督、撮影:タヌ・ガゴ/アオテアロア[ニュージーランド]/2017/8分

『装置』Apparatus

監督、編集、録音:タヌ・ガゴ/アオテアロア[ニュージーランド]/2018/19分

ファーゴゴ(寓話)Fagogo

監督:パティ・ソロモナ・ティレル/アオテアロア[ニュージーランド]/2016/9分

リアリティとリアリズム:イラン60s-80s みどころ

みどころ

アミール・ナデリ、アッバス・キアロスタミなど日本にもファンの多い作家達とも交友があり、イラン映画界に多大なる影響を与えた忘れられた作家カムラン・シーデル。

今回の特集では、「イラン・ニュー・ウェーブ」の先駆けとなったカムラン・シーデルの軌跡を辿りながら、ソフラブ・シャヒド・サレス、バハラム・ベイザイの劇映画のほか、カムラン・シーデルの60年代のモノクロ作品、アッバス・キアロスタミ『第1のケース…第2のケース』など、幻の日本初上映作品を含め、ドキュメンタリー映画の垣根を超えた長短編合わせて15作品を上映。

日本初上映となる幻の映画作家カムラン・シーデル(1939年〜)は、50年代イタリアへの留学経験から、当時のイタリアで全盛だったネオレアリズモの影響を受け60年代前半にイランへ帰国。イラン国内で設立されたばかりの文化芸術省で、映画の制作をはじめる。

国の機関である文化芸術省は、近代化の成功を讃えるプロパガンダを意図しシーデルに映画の制作を依頼したが、作品には、成功とはほど遠いイランの現実が巧みに描かれており、その映画的リアリズムが政府の意図とそぐわなかったため、60年代に完成した4作品のうち2作品『女性区域』『テヘランはイランの首都である』は制作を中断されフィルムは没収。

1979年イラン革命の際に、国に没収されて制作が中断されていた2作品の上映素材が発見され、未完成部分を追加して80年代に2作品とも完成。本編の最後には「unfinished」(未完成)とクレジットされていることにも注目。

特集では、アミール・ナデリ監督を迎えたトークセッションも開催。さらに、映画祭公式カタログには、アミール・ナデリ監督によるカムラン・シーデルへの寄稿文を掲載。詳細はこちら→https://www.yidff.jp/2019/program/19p6.html

『あの家は黒い』The House Is Black

監督、編集:フォルーグ・ファッロフザード/イラン/1962/21分

詩人でもあるフォルーグ・ファッロフザードが監督したドキュメンタリー。ハンセン病患者支援協会の依頼で、イラン西北部タブリーズにあるハンセン病患者の療養施設、ババダギハンセン病療養所を撮影した。当時、障碍者を被写体にした映画はほとんどなく、コーラン、聖書からの引用と作家自身の詩によって語られる施設の日常は、「詩的リアリズム」という映画のスタイルを確立した。

『髭のおじさん』The Uncle with a Moustache

監督、脚本:バハラム・ベイザイ/イラン/1969/28分

空き地の前に立つ一軒家。一人暮らしの老人は、毎日空き地で子どもたちが騒々しく遊ぶ様子をいまいましく思っていた。ある日、飛んできたボールが窓ガラスを割り、怒り心頭に発した老人は、外に飛び出し子どもたちを怒鳴りつけた。老人に恐れをなした子どもたちは二度と空き地に戻ってこず、静寂だけの日常に、老人は徐々に寂しさを覚えるのだった。荒涼とした空き地と一軒家。子どもたちと老人。限定されたロケーションと限られた登場人物だけで生き生きとした映画を生み出し、イラン映画の新しい潮流「ニュー・ウェーブ」の幕開けを告げた作品のひとつ。

『放つ』Deliverance/Release

監督:ナセル・タグヴァイ/イラン/1971/24分

イラン南部の港町。早朝、少年ダダは友人たちと小さなボートで海へ漕ぎ出し、綺麗な赤い魚を手に入れる。その魚が欲しくなった友人マシューが喧嘩をしかけ、魚をめぐって少年たちの小競り合いがはじまる。ダダはマシューを石で殴り魚を取り返したものの、友人を怪我させたことで小屋に閉じ込められ……。自由を奪われたことで魚の境遇に思い至った少年が魚を海に帰すという啓蒙的な物語が、ロケ撮影によるみずみずしい躍動感を伴い描かれる。少年たちが小船を駆使して遊ぶ海、魚を取り合い走り回る喧騒の路地、一転して薄暗く静寂に満ちた小屋などの印象的なショットが、「イラン・ニュー・ウェーブ」を感じさせる。1972年にヴェネチア児童映画祭でグランプリを受賞したほか、海外で高い評価を受けた。

『女性刑務所』Women’s Prison

監督:カムラン・シーデル/イラン/1965/11分カ

ムラン・シーデルがイタリア留学から帰国後に撮り始めたドキュメンタリー作品群「モノクロ4部作」の第1作。パフラヴィ国王の双子の姉妹であるアシュラフ・パフラヴィによって設立されたイラン女性協会より資金提供を受け、制作された。殺人、薬物使用、闇営業などの罪で刑に服す女性囚人たちが、自立支援を受けて手工芸をしたり、刑務所内で子どもを育てたりしている様子を捉える。当時35mmフィルムによる撮影時に同時録音ができなかったため、インタビューの音声は後から別人の声によって収録された。イタリアのネオレアリズモに匹敵するリアリズム表現が、新潮流「イラン・ニュー・ウェーブ」の先駆けとなった。

『女性区域』Women’s Quarter

監督:カムラン・シーデル/イラン/1966-80/18分

シーデルが留学からの帰国後すぐに制作したドキュメンタリー作品群「モノクロ4部作」の第2作。「ニュー・シティ」と呼ばれる歓楽街でイラン女性協会による売春女性支援の様子を捉えつつ、売春の背景にある貧困の実態を生々しく描き出した。制作中に撮影が突然禁止され、撮影素材は押収されて行方知れずになっていたが、イラン・イスラーム革命後の1980年にネガが発見され、シーデルの手により編集された。作品は「未完成(unfinished)」と表示されて終わる。

『テヘランはイランの首都である』Tehran Is the Capital of Iran

監督:カムラン・シーデル/イラン/1966-80/19分

1963年にパフラヴィ国王がイランの西欧近代化を目指して始めた改革「白色革命」の成果を記録する目的で、文化芸術省により製作されたドキュメンタリー。テヘランの学校で教師が子どもたちに書き取らせている、都市の進歩と国王を讃える文言と、貧困地区に暮らす人々の過酷な状況が並列して進行し、理想と現実の乖離を生々しく描き出す。編集時にラッシュプリントが押収され、イラン・イスラーム革命後に発見された。完成版のエンディングには、『女性区域』と同様、「未完成(unfinished)」と表示されている。

『雨が降った夜』The Night It Rained

監督、企画:カムラン・シーデル/イラン/1967/36分

洪水で線路が流されたことに気づき、列車に知らせて乗客の命を救ったことでヒーローとなった少年に取材したドキュメンタリー。少年の英雄的物語を映画にするよう依頼されたシーデルは、当初少年の物語を掲載した新聞、脱線の危険を知らせた少年本人、鉄道会社の職員がそれぞれ語る「異なる事実」に出会い、美談の裏に隠された「新たな事実」を描き出した。リアリティに対する批評性に富んだ新しい作風が政府関係者に受け入れられず、この作品が原因でシーデルは職を追われることになった。

『白と黒』Black and White

監督、脚本:ソフラブ・シャヒド・サレス/イラン/1972/4分

ソフラブ・シャヒド・サレスがカヌーンで制作した実験映画。コマ撮りによる短編実写映画で、白と黒の衣装に身を包んだ人物たちがフレーム内を縦横無尽に動き回る。対称的な二色で表現されるのは、生き生きとした活動的なエネルギーと創造性である。

『ありふれた出来事』A Simple Event

監督:ソフラブ・シャヒド・サレス/イラン/1973/80分

イラン北部の町バンダル・シャーを舞台に、酒飲みの父、病弱な母と暮らす少年の日常を描いたシャヒド・サレス初の長編劇映画。少年は、父の密漁の手伝いと病気の母の世話に追われて小学校に遅刻し、休み時間には友人たちの遊びに加われず先生に補習を受けている。やがて母は他界するが、残された少年と父親の日々は変わることなく続く。フィックスによるロングショット、ロングテイクを生かした丁寧な描写が、少年一家の過酷な「ありふれた日常」を生々しく浮かび上がらせ、世界的な評価を得た。

『静かな生活』Still Life

監督、脚本:ソフラブ・シャヒド・サレス/イラン/1975/94分

シャヒド・サレスの長編劇映画第2作。住み込みで踏切の管理をする鉄道員の老人は、突然やってきた役人に定年を告げられ、後任の若い鉄道員に宿舎の明け渡しを迫られる。11日間のロケ撮影で制作された本作は、役者に素人を起用し、フィックスによるロングショットおよびロングテイクと、音楽を排した静謐なリアリズム描写により、つつましく暮らす鉄道員老夫婦の「静かな生活」を活写し、ベルリン国際映画祭で銀熊賞を受賞した。イラン国内での上映で好評を博したが、次回作の撮影許可を得ることができず、シャヒド・サレスは国を離れてドイツに移住し、二度とイランで制作することはなかった。『ありふれた出来事』とともに、「イラン・ニュー・ウェーブ」を代表する作品として、のちの作家たちに大きな影響を与えた。

『ホセイン・ヤヴァリ』Hossein Yavari

監督:ホスロ・シナイ/イラン/1973/17分

ウィーンで音楽教育を受けたホスロ・シナイが、ネイ(笛)奏者を被写体に、芸術家の佇まいと音楽の魅力を捉えた作品。古びた家に一人で暮らす奏者の語り口は詩のようで、ネイの音と相俟って幻想的な世界を描き出す。奏者の語りに触発され、作家自身がうさぎを詠んだ詩で終わる。前衛的ドキュメンタリーとドキュメンタリー・ドラマの作家として高い評価を受けるホスロ・シナイが70年代に制作した実験的作品。

『借家』Tenancy

監督:エブラヒム・モフタリ、ケイヴァン・キアニイラン/1982/42分

イラン・イスラーム革命直後に国営放送により製作された、都市の住宅事情をテーマにしたテレビシリーズ「SHELTER」の1本。パフラヴィ王制末期に成立した借家法により、大家の要求があればいつでも住人を立ち退かせることが可能になり、革命後もその法律は引き継がれていた。この作品で、エブラヒム・モフタリは、大家が住人に立ち退きを迫る現場を訪ねて騒動の様子をカメラに収めた。役所の担当者も交えた交渉の一部始終は、のちに社会正義について議論を巻き起こし、借家法が改正される契機となった。この作品は、革命後の混乱期に製作され、スカーフを被っていない女性が被写体になっているためか、海外でしか上映されていない。

『第1のケース…第2のケース』First Case…Second Case

監督、編集:アッバス・キアロスタミ/イラン/1979/53分

ある学校で、先生が黒板に向かっている間に騒音を立てたいたずら者の生徒。先生は犯人を含め後列に座る7人を廊下に立たせる。先生は彼らに対し、犯人を教えたら授業に戻れるという条件を与える。キアロスタミは、誰も口を割らないケース1、ひとりが犯人の名を先生に告げるケース2を提示し、それぞれのケースに対する識者たちの意見をカメラに収める。生徒たちが演じる2つのケースと、さまざまな識者のインタビューにより、善悪や倫理に関する多様な視点を浮かび上がらせる。イラン・イスラーム革命の時期に作品が制作されたため、その後の混乱の中で国内外での上映が長らく禁止されていたが、パリとボローニャのラボでの修復を経て、今年世界に公開された。

『バシュー、小さな旅人』Bashu, the Little Stranger

監督、脚本、編集:バハラム・ベイザイ/イラン/1985/120分

イラン・イラク戦争下のペルシャ湾岸より逃れ、カスピ海沿岸の村にたどり着いた10歳の少年バシューを主人公に、言語の異なる村人との間に繰り広げられる騒動を描いた劇映画。イラン南西部フーゼスターン州のアラビア語地域に暮らしていた少年バシューは、イラクからの砲撃に驚き、飛び乗ったトラックに揺られてイラン北部ギーラーン州の村に着く。出稼ぎで行方知れずの夫を待ちながら子どもたちと畑仕事をしていたナイは、突然現れた知らない言語を話す少年に驚くが、家に連れて帰り世話をする。マイナー言語に焦点を当てた、子どもと女性のシンボリックな演出が特徴的な教育映画。戦時下に国威発揚ではなく、異質な他者の包摂を描いたベイザイの、映画人としての矜持が垣間見える。1985年に完成したが、戦争終結後の1989年まで公開できなかった。

『水、風、砂』Water, Wind, Dust

監督、脚本:アミール・ナデリ/イラン/1989/70分

故郷が湖が干上がるほどの干ばつに見舞われたため、出稼ぎ先から急遽帰郷した少年。井戸も涸れ、生き物は死に絶え、一面砂漠化した地にたどり着いた時、家族も住人たちも集落を去った後だった。主人公の少年が家族を探して、ひたすら砂嵐の中を彷徨う作品で、風の吹きすさぶ音の合間に、置き去りにされた赤ん坊の弱々しい泣き声、移動する住民たちが互いを奮い立たせるかのように唄う歌、家畜の屍を食らう野良犬の唸り声などがはさまれる。イラン・イラク戦争で荒廃した街をロケ地に、主人公の少年が家族を探す『Jostojuyedovvom(捜索2)』(1981)のバリエーションともいえ、過酷な環境の中で生き抜くために水と食料を求める生の力強さを、ひとつの様式にまで高めた傑作。

日本プログラム みどころ

みどころ

日本の今を、様々なアプローチでみせるプログラム。ドキュメンタリー映画の垣根を越え、多様な表現で現実に対峙した意欲作5本を上映。

ブラック企業と戦う一人の労働者を中心に描かれる人物ドキュメンタリー『アリ地獄天国』(2019)。長時間労働を強いられ、事故や破損を起こせば借金漬けに陥るまさに“アリ地獄”。この状況に意義を唱え、一人でも加入できる労働組合に加入するが、配転を通告されついには、懲戒解雇に追い込まれる。現代日本の労働社会の闇が映し出される。

脚本の読み合わせ、リハーサルなど役者の演技獲得までのプロセスを追った『王国(あるいはその家について)』(2018)。同じ場面が何度も繰り返され、発話や身体の変化を緻密な構成で描く、ドキュメンタリー映画として新しいアプローチの一作。

東日本大震災後、陸前高田災害FMでパーソナリティーとして人々の記憶と思いを届け続けた女性を親密な距離で綴る『空に聞く』(2018)。津波が去った街の復興に並行して、嵩上げされた土地に新たな街が次々に造成されてゆく。震災から街が復興していく様子を静謐なカメラで捉えた一作。

太平洋戦争末期、米軍が上陸し民間人20万人以上が死亡した沖縄戦の知られざる歴史に迫る『沖縄スパイ戦史』(2018)。少年年ゲリラ兵士部隊、マラリア地獄、味方による住民虐殺、陸軍中野学校出身の青年将校たちによる関与。沖縄戦最大のタブーに切り込み日本の再軍備化に警告を鳴らす一作。

昭和、平成、令和。多摩川の干潟でシジミを獲りながら捨て猫と暮らす老人の人生を通して、東京オリンピックを前に劇的に変わりゆく東京の街を捉えた『東京干潟』(2019)。時代の移り変わりが彼の人生に重ねられ、次第に環境破壊、高齢化社会、貧困問題、ペット遺棄、生物多様性など、現代日本が抱える様々な課題が浮き彫りになる。

『王国(あるいはその家について)』Domains

監督:草野なつか/日本/2018/150分

『空に聞く』Listening to the Air

監督:小森はるか/日本/2018/73分

『アリ地獄天国』An Ant Strikes Back

監督、撮影、編集:土屋トカチ/日本/2019/98分

『東京干潟』Tokyo High Tide

監督、撮影、編集、録音、提供:村上浩康/日本/2019/83分

『沖縄スパイ戦史』Boy Soldiers: The Secret War in Okinawa

監督、ナレーション:三上智恵、大矢英代/日本/2018/114分

【重要】アジア千波万波作品の上映開始時間が変更になりました。

 

【重要】アジア千波万波作品の上映開始時間が変更になりました。

アジア千波万波『アナトリア・トリップ』のフォーラム5での上映開始時間に変更が生じました。

フォーラム5
10月12日[土]19:00-20:54 → 19:50-21:44 に変更

 

【重要】インターナショナル・コンペティション作品 上映日程変更のお知らせ

【重要】インターナショナル・コンペティション作品 上映日程変更のお知らせ

インターナショナル・コンペティション『ラ・カチャダ』と『これは君の闘争だ』の市民会館大ホールでの上映日程が、以下の通り変更されました。

市民会館大ホール
10月12日[土]18:10『これは君の闘争だ』→ラ・カチャダに変更
10月15日[火]13:30『ラ・カチャダ』→これは君の闘争だに変更
※2作品とも質疑応答を予定しています。

山形国際ドキュメンタリー映画祭 2019 オリジナルグッズのご紹介!

今年の山形国際ドキュメンタリー映画祭(YIDFF)までいよいよあと8日となりました!開催へ向けてスタッフ一同慌ただしく準備を進めていますが、このたびは会期中に販売するYIDFF2019オリジナルグッズについてご紹介します。

まずはYIDFF2017で好評だったトートバッグ。今年も販売します!

デザインは2種類。
一つは、現代美術家、笹田靖人さんがYIDFFをイメージして描き下ろしたというデザイン(写真上)。こちらは、フリーパス購入者への30周年記念特典のひとつであるアルミボトルにも採用されているものです。

 もう一つは、絵画展や映画ワークショップなどを主催するアーティストユニット「yellowwoods」の黄木可也子さんによるデザイン(写真上)。映画祭を収穫祭に向かう動物たちに見立てた、賑やかで愛らしいイラストが入ります。

 

ステッカーは、笹田靖人さんデザインと黄木可也子さんデザインのほかに、30周年記念ポストカードを手掛けたグラフィックデザイナー三宅宇太郎さんによる30周年ロゴの入ったデザインの3種類をご用意(写真下)。

黄木可也子さんデザインの動物たちのイラストは、5種類の缶バッジ(写真下)としても販売する予定です。

こちらは中央公民館6Fにて、ガチャガチャにてご購入ください。
何が当たるかは、まわしてみてのお楽しみ!

また、オリジナルTシャツについては、笹田靖人さんによる30周年記念デザインのほか、もう1パターンも登場予定です。サイズはS、M、L、XLがあり、身幅は比較的ゆったりしたサイズ感です。会場でぜひチェックしていただけたらと思います!

 

YIDFF30周年記念ポストカードセット…1100円(税込)
Tシャツ(デザイン2種)…2500円(税込)
・トートバッグ(デザイン2種)…2000円(税込)
・ステッカー(デザイン3種)
  笹田靖人デザイン、三宅宇太郎デザイン…100円(税込)
  黄木可也子デザイン…200円(税込)
・ネック・ストラップ…800円(税込)
・缶バッジ5…200円(税込)

そのほか特集オリジナルのグッズなども販売予定です。各会場でご覧ください。どうぞお楽しみに!

【小・中学生限定】映画監督に英語でインタビュー体験!めざせバイリンガルレポーター!

~目指せ!バイリンガルレポーター!世界の監督に突撃インタビュー!~

「山形国際ドキュメンタリー映画祭 2019」の協賛企業である「ジェイムズ英会話」とのコラボレーションにより、子どもたちによる英語インタビュー企画を行います。インタビューの相手は、なんと映画祭に参加している映画監督たち! 2年に一度の国際映画祭は、山形において海外の方と接する貴重な機会となります。映画と英語を通した豊かなコミュニケーション体験を子どもたちと共有できればとの思いでこの企画は誕生しました。映画祭会期中に、上映監督たちに英語で突撃インタビューをして動画を制作、後日その動画をご覧頂けます。ぜひ多くの子どもたちのご参加をお待ちしています!

 

YIDFF2011での子どもたちによる監督インタビューの様子(記録動画より抜粋)

 

◇日時:10月13日(日)12:30~16:00(予定)

◇場所:山形市民会館・フォーラム山形

◇対象:小学校4年生~中学生のお子さま

◇内容:
・来場する映画監督に英語でインタビューをし、インタビューする様子をiPadで撮影し、後日映画祭のYouTubeチャンネルにアップします。

 ・前日に外国人講師とインタビューの練習をするミニレッスンをジェイムズ英会話で行います。

 ・当日はジェイムズ英会話スタッフ、映画祭スタッフが同行しますので、英語が話せないお子さまも参加可能です。

◇参加費:無料

◇インタビュー練習レッスン:10月12日(土)15:00~15:50 ジェイムズ英会話山形校

◇申込締切:10月11日(金)

申込み、お問合せはメールまたはお電話でお気軽にどうぞ。

ジェイムズ英会話山形校

メール:jesyamagata@james.co.jp 電話:023-624-6868

※撮影した動画や写真はYouTubeやホームページで使用させていただきますので、お申し込みの際、承諾事項に同意いただきます。

ジェイムズ英会話【目指せ!バイリンガルレポーター!世界の監督に突撃インタビュー!】サイト

過去制作動画
YIDFF2011「映画祭で世界一周! 監督をさがせ!」その1

YIDFF2011「映画祭で世界一周! 監督をさがせ!」その2

YIDFF2011「映画祭で世界一周! 監督をさがせ!」その3

 

文責:山形映画祭事務局

シネマトゥデイ「山形国際ドキュメンタリー映画祭30年の軌跡」連載中!

シネマトゥデイ「山形国際ドキュメンタリー映画祭30年の軌跡」連載中!

ウェブサイト「シネマトゥデイ」にて、ヤマガタを熱くさせた数々の“事件”と共に30年を振り返る企画「山形国際ドキュメンタリー映画祭30年の軌跡」が連載中です。

全8回にわたり、ライターの中山治美さんの取材によりお送りいたします。

映画と人との出会いが生んだ数々の出来事をギュッと凝縮して、実際に関わった人々の生の声もお伝えします。山形映画祭をよく知る人も知らない人も楽しめる、面白記事満載でお送りする企画です。ぜひお楽しみください!

 

<<「山形国際ドキュメンタリー映画祭30年の軌跡」サイトはこちら>>

【楽しんでけろ!山形映画祭】「山形へのアクセスをもっと便利に!お得な交通&宿泊サービス②」

映画祭と山形滞在を楽しむオススメ情報をお届けするシリーズ【楽しんでけろ!山形映画祭】。
第7回のテーマは「山形へのアクセスをもっと便利に!お得な交通&宿泊サービス②」。

今回は第2弾として、新幹線+宿泊がセットになった「ドキュ山!!GOGOパック」や、市内のホテル/旅館を手配する「ドキュ山!!宿泊プラン」など、お得な交通&宿泊のサービスをご紹介します!

① 新幹線+宿泊がセットに!「ドキュ山!!GOGOパック」

どんなサービス?

東京⇄山形の往復の新幹線+宿泊(1泊目)がセットになったサービス
※2泊目以降は後ほどご紹介する「ドキュ山!!宿泊プラン」も合わせての購入となります。

〈出発日〉
2019年10月9日(水)〜2019年10月18日(金)
※添乗員の同行はありません

〈行程〉〈旅行代金/1泊2日〉※大人1名様からお申し込みいただけます。

※山形グランドホテル、および山形国際ホテルのお部屋は全て完売しました。

※堺屋・森のホテルヴァルトベルクをご利用の場合、大人2名様からお申し込みが可能です。また、10月12日(土)・10月13日(日)ご利用は、表に記載の代金+2,000円となります。

②宿泊のみ or「ドキュ山!!GOGOパック」2泊目以降は「ドキュ山!!宿泊プラン」

どんなサービス?

山形市内のホテル/旅館での宿泊、もしくは①「ドキュ山!!GOGOパック」の2泊目以降をご利用の方にオススメの宿泊サービスです。

〈出発日〉
2019年10月9日(水)〜2019年10月17日(木)

〈旅行代金〉※大人1名様からお申し込みいただけます。

※山形グランドホテル、および山形国際ホテルのお部屋は全て完売しました。

※堺屋・森のホテルヴァルトベルクをご利用の場合、大人2名様からお申し込みが可能です。また、10月12日(土)・10月13日(日)ご利用は、表に記載の代金+2,000円となります。

東京⇄山形の新幹線ご利用+2泊以上宿泊される方は、
「ドキュ山!!GOGOパック」と「ドキュ山!!宿泊プラン」2つのサービスを一緒にお申し込みください。

 

〈ご利用例〉
東京ー山形への往復新幹線+10月10日〜14日までの滞在(4泊)の場合
「ドキュ山!!GOGOパック」(往復新幹線+宿泊1泊目)と「ドキュ山!!宿泊プラン」(宿泊2泊目以降)をお申し込みいただく形になります。

③仙台駅発着の方は「JRきっぷ+ドキュ山!!宿泊プラン」のパックがおすすめ!

 

仙台を経由してのご来場を予定の方は、
仙台駅⇄山形駅の往復JRきっぷ(1,540円/快速・普通列車自由席)と宿泊の「ドキュ山!!宿泊プラン」がセットになったパックがおすすめです。

10月10日の電車の往復料金は 2,340円となっており、(9月5日時点)
サービスのご利用で800円お得に!浮いたお金で1本でも多く映画をみたり、おいしいコーヒーで一息ついたりも良いですね。

各サービスの“ここが便利!”

⑴「ドキュ山!!GOGOパック」(新幹線+宿泊のパック)は新幹線と宿泊を個別に予約するよりも安い!

例えば、東京を出発し、ホテルアルファーワン山形に宿泊の場合、GOGOパックの料金は1泊 22,000円となります。通常の新幹線の往復料金は23,100円(9月5日時点)ですので、通常の交通費よりも交通&ホテルが一緒になったこちらのパックの方が断然お得です。

⑵ 滞在期間中の宿を確保してくれる!

これまでの記事でもお伝えしていた通り、今年は映画祭が30周年記念開催となり来場者の増加が予想されることや、山形市内で映画祭以外の大きなイベントが開催されることによって、例年以上に宿泊予約と交通サービスの予約が取りづらい状況に。
こちらのサービスで交通と宿を確保できるのは安心ですね。

⑶ 映画祭会場に近くて便利なホテルに滞在できる!

今回候補となるホテルの多くが映画祭会場(山形市内中心地)の徒歩圏内。一番遠いホテルでも、バスで20分ほどで会場とホテルを行き来できます。移動の時間に捉われず、映画祭の上映や様々なイベントを1日中楽しむことができます。

詳細情報・お申し込みはこちら

山形国際ドキュメンタリー映画祭公HP GOGOパック
https://www.yidff.jp/2019/info/pdf/yidff2019acmd.pdf

申込書
https://www.yidff.jp/2019/info/pdf/yidff2019acmd-rsrv.pdf

※山形グランドホテル、および山形国際ホテルのお部屋は全て完売しました。

お申し込み締め切り日:2019年9月16日(月)
※各サービスの宿泊施設はお申し込み順に決定します。

お問い合わせ
株式会社びゅうトラベルサービス 東北支店 仙台営業センター
〒980-0021 宮城県仙台市青葉区中央4丁目2番27号 501ビルディング5階
TEL:022-213-4867
FAX:022-266-5373
受付時間;平日9:00-17:40(土・日・祝日除く)

おわりに

今回ご紹介した各サービスは、関東や仙台からお越しの方 / 経由して来られる方にオススメのサービスとなっています。

各サービスでの宿泊施設はお申し込み順に決定するため、お早めのご予約を!また、映画祭チケットのお得な早割販売もあるので、滞在予定が決まったら、交通・ホテル・チケット合わせてお早めのお申し込みがオススメです!

お得な映画祭チケットのご紹介記事はこちら
http://www.yidff-live.info/2505/

***
映画祭に関するお得なサービスのご案内や、チケット・グッズの販売、プログラムの最新情報は、
映画祭公式WEBサイトfacebooktwitterInstagramドキュ山ライブ!を、ぜひチェックしてみてくださいね!
***

ではでは、次回もどうぞ見てけろな〜!

ライター:藤 あかね

【山形国際ドキュメンタリー映画祭2019】30周年記念特設サイト「わたしのヤマガタ」にぜひご参加を!名場面ポストカードも10月発売予定!

本年開催の山形国際ドキュメンタリー映画祭(YIDFF)2019が30周年を迎えるにあたり、これまで山形国際ドキュメンタリー映画祭に参加した皆さんとこの節目を一緒に祝うべく、思い出のfacebookページをこのたび開設!観客、ゲスト、スタッフ、ボランティアなど、これまでのYIDFFを作り上げてきてくださった皆さんの、それぞれの「思い出の出来事」の投稿をお待ちしています!

★「My YIDFF わたしのヤマガタ」facebookページはこちら

 

また、30周年記念グッズとして、山形国際ドキュメンタリー映画祭の忘れられない名場面が特別ポストカードセット(15枚セット/定価:1,000円+税 )になります!2019年10月発売、映画祭会場(山形市中央公民館<アズ七日町6F>、山形市民会館大ホール)にて販売予定です。こちらもぜひお楽しみに!

 

 

【山形国際ドキュメンタリー映画祭2019】夜のまちなかコラボ企画「○○(まるまる)ナイト」が開催決定!

夜のまちなかコラボ企画「○○(まるまる)ナイト」が開催決定!

山形国際ドキュメンタリー映画祭(YIDFF)2019では、10月10日(木)-17日(木)の8日間に9つの公式会場にて各プログラムが同時開催されます。プログラムが終了する夜間帯にも、より気軽に来場者同士が交流できる機会をまちなかに設けられたらと、このたび3店舗4会場におけるイベントを企画。個人や団体とコラボレーションし、日毎にテーマの異なるナイトイベント「○○ナイト」が10月11日(金)-16日(水)の6日間開催されることになりました。

イベント内容は多岐にわたり、映画界でのジェンダーバランスや映画祭・映画製作を考えるトークセッションサッカーやカクテル、五輪等をテーマとした作品上映映画雑誌「f/22」の刊行と連動したテレビドキュメンタリーの上映およびディスカッション山形国際ドキュメンタリー映画祭高校生チーム「ドキュ山ユース」主催の交流会他の映画祭とのコラボ企画音と言葉による体験型イベント等々、多彩なプログラムを予定。映画祭の夜を盛り上げる新たな公式イベント「○○ナイト」に、是非ご期待ください!

会場別のイベントプログラムは下記の通り。イベント情報は8月29日現在のものです。
※変更点や追加情報については、Facebookページを開設のうえそちらで随時お知らせいたします)

 

会場1 ■ ブルーノ (山形市本町2-4-23)

DFIスポーツドキュメンタリー上映会
日時:10/11(金) 20:30-  入場料:2000円(ワンドリンク、軽食付)

東京オリ・パラ開催を翌年に控え、勝敗のみならずスポーツを通して困難に打ち勝とうとする人生を、上映を通して皆で共有します。国際パラリンピック委員会とWOWOWが共同制作するパラリンピック・ドキュメンタリーシリーズ「WHO I AM」から、『ナタリア・パルティカ(ポーランド/卓球)』(50分、2018年、ナレーション西島秀俊)を上映。映画の舞台であり、日本と国交樹立100年周年を迎えるポーランドの雑貨が抽選会で当たります。

DFI公式サイト

 

音と言葉のマリアージュ
日時:10/13(日) 19:00-  入場料:3500円(ワンドリンク、軽食付)

個々人の中に浮かぶ映像。音と言葉が呼び起こす景色。音はフランスを拠点に活動するサックス奏者仲野麻紀。自然発生的な即興、エリック・サティの楽曲を取り入れた演奏からなるユニットKy[キィ]での活動の傍ら、2009年から音楽レーベル、コンサートの企画・招聘を行うopenmusicを主宰。言葉は明治大学大学院理工学研究科<総合芸術系PAC「場所、芸術、意識」>で教鞭をとる比較文学者・詩人の管啓次郎。

 

Tokyo Docsナイト
日時:10/14(月祝) 18:00-20:00  入場料:500円(ワンドリンク、軽食付)

ドキュメンタリーの国際共同製作をサポートするフォーラムTokyo Docs。9回目を迎える今年の開催(11/4~7)に先駆けて、国際放送NHKワールドの番組製作を通してアジア制作者の仕事を広げる今村研一氏(NHKエンタープライズ・プロデューサー)とYIDFF出品監督が、「めんどくさいけどおもしろい!国際共同製作」の体験談を繰り広げます。

 

 

会場2 ■ BOTA coffee 1F(山形市七日町2-7-18)


ドキュ山ユース主催・交流会
日時:10/11(金) 18:00-  入場料:1000円(タピオカドリンク付)

山形国際ドキュメンタリー映画祭高校生チーム「ドキュ山ユース」主催で、映画好きな高校生の交流会を開催します。ドキュメンタリーに限らず、映画を見るのが好き!映画を撮ってみたいと思ってる!夢は映画俳優!など、いろんな角度で「映画が好き」な高校生同士がつながるための会です。お気軽にご参加ください。

 

『ゲームチェンジング ・ドキュメンタリズム』出版記念
『A Cambodian Spring』クリス・ケリー監督オンライントークセッション
日時:10/12(土) 19:00-  入場料:1000円(ワンドリンク付)

カンボジア再開発を巡って民衆の長く熱い戦いを描き、台湾ドキュメンタリー映画祭2018グランプリ、カナダのhotdocs2017特別賞を始め、世界中の映画祭で多くの賞を受賞したクリス・ケリー監督の作品をご紹介します。
※クリス・ケリー監督は Skypeインタビュー予定
※本作(日本未公開)のトレイラー上映予定

 

実情:映画業界の男女格差/Gender Equality in Film Industry
日時:10/13(日) 19:00-  入場料:1500円(ワンドリンク、スナック付)

昨今、世界的に多様性やジェンダーバランスなど重視される傾向が強まってきている中、映画業界も例外ではありません。海外では制作主要メンバーに女性も加えた作品が注目を浴びる機会も増えてきました。しかし、日本映画業界においては男性監督の割合が約90%を占め、「映画業界=男性の職業」というイメージが強くジェンダー格差の改善にはまだまだ多くの課題を抱えています。今回、日本の映画業界における男女格差はどのように生まれ、どのように改善できるのか?これからの映画業界に起こり得る変革について皆さんとディスカッションを展開します。

 


ヨコハマ・フットボール映画祭 in YIDFF
日時:10/14(月祝) 17:35-  入場料:1600円(ワンドリンク、スナック付)/2作品通し券3000円(ワンドリンク、スナック付)

世界で最も親しまれているスポーツ“サッカー”をモチーフにした映画は毎年100本近く製作されています。その中には、チームや選手のサクセスストーリーはもちろん、貧困や宗教、性差別、家族の在り方を問う作品も数多く含まれています。サッカーという世界の共通言語を用いることで、クリエイターのメッセージを身近なものとして伝えることができるためです。今回は、障害がありながら競技に打ち込む選手の熱い思いと実生活に迫った『蹴る』、国民からの圧倒的なプレッシャーのなかワールドカップ出場を果たせなかった試合を振り返る『ドーハ1993+』の2作品を上映します。

 

DOJOナイト!蔵王温泉で傑作が生まれる時
日時:10/15(火) 18:00-  入場料:500円(ワンドリンク、スナック付)

2018年秋、日本初、ドキュメンタリーに特化したアーティスト・イン・レジデンスが山形で始まりました。アジアの映像制作者が蔵王温泉に長期滞在しながら自作の仕上げと向き合うプログラムには、日本のドキュメンタリストや世界から講師も参加。2018年に制作中の『セノーテ』を持って参加した小田香監督ほか参加者の経験談を聞き、映像を見ながら、2019年11月の開催に向けて楽しくキックオフ! 蔵王温泉の湯の花プレゼント。

 

 

会場3 ■ BOTA coffee 2F(山形市七日町2-7-18)

東京ドキュメンタリー映画祭 ベストセレクション+トーク
日時:10/11(金)19:00  入場料:1500円(ワンドリンク、スナック付)

ドキュメンタリーマガジン「neoneo」を発行するneoneo編集室が主催する「東京ドキュメンタリー映画祭」。今年も11月30日より東京・新宿ケイズシネマで開催します。日本国内に新たなドキュメンタリーの上映機会を作り、テレビ・映画・ネットの垣根を越えた映像表現の可能性を提示します。山形では、昨年行われた第1回上映作の中から、観る機会の少ない短編の受賞作品をセレクト。『影の由来』(監督:波田野州平 2017年27分)ほかを上映予定。上映後は関係者のトークによる最新の動向を紹介します。

 

ワカキコースケのDIG! 聴くメンタリー
日時:10/12(土) 19:00-  入場料:2000円(ワンドリンク、スナック付)

昭和の時代、レコード屋には音楽ジャンルだけでなく、事件や風物の実況、SLの走行音などを録音したアナログ盤も売られていました。そんな、今は中古屋の隅に眠るドキュメント・レコードを構成作家のワカキコースケ(若木康輔)が買い集め、連載とイベントでご紹介。前回の映画祭期間中も山形市内でゲリラ的にイベントを行い、今回は2回目。東京で反響のあった盤を中心に、たっぷりお聴かせします!

 



「f/22第2号」出版イベント2夜連続上映+トーク
第 1 夜 「地を這う日本のテレビドキュメンタリー」
日時:10/13(日) 19:00-  入場無料

第 2 夜  f/22第 2 号「撮られる者たちの眼差し」連動企画 大浦信行監督最新作『遠近を抱えた女』特別先行上映
日時:10/14(月祝) 19:00-  入場料:2000円(ワンドリンク、スナック付)

いよいよ11月1日に「f/22第2号」を出版します!今回、山形国際ドキュメンタリー映画祭で行われる出版イベント、第1夜は「地を這う日本のテレビドキュメンタリー」と題し、地を這うようなキャメラワークと被写体との関係性を重視する日本のTVドキュメンタリーを上映し、その独自な方法論を観客も交えて再評価してみる試みです。第2夜は、第2号の特集「撮られる者たちの眼差し」と連動して、大浦信行監督最新作『遠近を抱えた女』を特別先行上映。本作に体当たりで主演した女優のあべあゆみさんをゲストに、裸やセックスを「撮られる事」について議論します。会場では「f/22第2号」を先行発売します。ぜひご参加を!

 

映画『YUKIGUNI』海外プレス向け上映会
日時:10/15(火) 19:00-  入場料:1700円(ワンドリンク、スナック付)

山形県酒田市在住・92歳(撮影当時)創作者の井山計一さんの半生を描いたドキュメンタリー。俳優の小林薫がナレーションを担当。全編にわたりスタンダードジャズを取り入れ、カクテルの話だけではなく、家族愛、夫婦愛をロマンチックかつハートフルに描いています。監督は、『よみがえりのレシピ』『おだやかな革命』を監督した、山形県鶴岡市在住の渡辺智史。映画上映後に、監督と一緒に山形のBARでカクテル「雪国」をご堪能ください。

 

Screening of “Fukushima: A Record of Living Things” Episodes One to Five(English Version)
日時:11日(金) 8:00 入場無料

上映会「福島 生きものの記録」シリーズ(全5作)を観る(日本語版上映)
日時:12日(土) 8:00 入場無料

2019年度第2回災害人文学研究会
「ファインダー越しの対話―記録が橋渡しする過去・現在・未来―」
日時: 16(火)  13:30 入場無料

2011年の東日本大震災にかんして数多くの写真・映像記録が残され発表されてきました。東日本大震災の発生から現在に至るまで、被災した地域と継続的に関わり活動を続けてきた映像制作者、地域に残された写真記録の見直しや映像制作の活動によるまちづくりを実践・検証する研究者の活動を通して、過去から現在を俯瞰し、地域の未来へ向かう対話を橋渡しする〈記録行為〉〈記録の見直し〉の可能性について考えます。

【主催】東北大学東北アジア研究センター
【共催】指定国立大学災害科学世界トップレベル研究拠点、災害人文学ユニット

 

 

会場4 ■ SLOW JAM(山形市香澄町2-8-1-1F)

映画『聖者たちの食卓』+豆カレー体験会
日時:10/11(金) 18:00- 入場料:3000円(カレー、ワンドリンク付)

インドの寺院で500年以上続く、巡礼者らに毎日10万食分の豆カレーを提供するハリマンディル・サーヒブ(黄金寺院)の無料食堂の舞台裏に迫るドキュメンタリー『聖者たちの食卓』の上映と、実際に現地を訪問した亀屋公祥氏(スパイス調香師/スパイスプロポーザル〈スパイス屋tikka〉)のインド旅行記を聞きながら、再現された豆カレーを自らの手で食してみる体験イベントです。映画同様、宗教も人種も関係なく誰もが平等にお腹を満たすことができる「聖なるキッチン」を体験してみませんか。

 

De Palma上映会
日時:10/14(月祝) 21:30- 入場料:1000円(ワンドリンク付)

今回上映会を開かせていただく東北大学学友会映画部De Palmaです。私たち映画部は役者から撮影、録音、編集まで全て私たちの手による自主制作映画を作っております。僕ら学生なりに想いを込めて、何にも縛られない自由な作風で個性豊かな映画を作っているので、商業映画とは少し違った作風の映画を見ることができると思います。一般の方に見ていただく機会が少ないので、少しでも多くの人に見ていただけたらとても嬉しいです。ぜひ気軽に見に来てください!

【変更】10月11日[金]山形美術館1にて上映の「春の気配、火薬の匂い:インド北東部より」プログラムは無料上映になりました。

【変更】10月11日[金]山形美術館1にて上映の「春の気配、火薬の匂い:インド北東部より」プログラムは無料上映になりました。

山形国際ドキュメンタリー映画祭 2019 の特集プログラム「春の気配、火薬の匂い:インド北東部より」にて上映される以下の作品は無料上映となります。ご了承ください。

10月11日[金】会場:山形美術館1 18:00-20:30

『ライハロウバの踊り』
『マニプールの蘭』
『アルナーチャル州モンパの民』

 

山形映画祭事務局

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