高校生・大学生による映画祭ボランティア「ドキュ山ユース」活動中!

山形国際ドキュメンタリー映画祭 2017 より、はじめて設けられた山形の高校生・大学生による映画祭ボランティアチーム「ドキュ山ユース」。

8月12日に行った「国際映画祭の作り方」ワークショップ以後、映画祭が近づくにつれてメンバー数が増え、現在は高校生だけでおよそ50人以上が関わっています。映画祭の運営現場の最前線ともいうべき会場係はもちろんのこと、国内外から山形に集うゲストの方々の滞在をケアするゲストサポーターなど、各セクションでの活動がはじまっています。

驚きなのが、インターナショナル・コンペティション上映後の質疑応答を担当する司会進行ボランティアにチャレンジする生徒が4名もいること。国際映画祭の舞台での質疑応答ですから、その役割は生半可なものでは務まりません。作品の余韻が残る会場内から、熱のこもった質問が飛び出すのは映画祭の常。司会進行係は、その雰囲気を壊すことなく、しっかりと客席からの声を監督へと橋渡しし、誠実に言葉を尽くす作り手の感情を客席に返してあげるという大役です。質疑応答の時間の主役はあくまでも作り手と、その作品を観た観客の皆さんです。司会進行係は黒子に徹しなければなりません。そうした中で、舞台上と客席とのキャッチボールを、通訳をはさみながら決められた時間の中におさめるべく差配する。その重要な役割に挑戦したいという彼ら彼女たちの気持ちに応えてあげたい反面、本当に大丈夫だろうかという不安も同時に抱いてしまうのは、運営側としてのジレンマでもあります。

しかし、そうした不安を払拭するほどの、責任感を持った活動を幾たびも目にするにつれ、徐々に楽しみばかりがつのっていくようにもなりました。

担当する作品を鑑賞し、さらに監督のプロフィールや作品にかける思いをつづった文章などを参照しながら、司会進行係の大人のボランティアのみなさんとミーティングを重ねるごとに、作品と作り手に対する興味をかきたてていきます。当日の舞台上で、会場から全く質問でないという万が一の時のために、その呼び水になるような質問を司会進行自らが監督になげかける必要もあり、事前にそれを用意するのも活動のひとつ。自分の言葉で問いを紡いでいく作業は、より作品世界の深部へと近づいていくことでもあります。普段の日常生活の中では気に留めることもなかった遠い世界での様々な出来事に目をみはり、耳を澄ませるという行為は、重要な何かをその心の中に刻み込むことになるのではないかと思います。

今年の山形国際ドキュメンタリー映画祭では、多くの市民ボランティアの皆さんと一緒に高校生や大学生たちもゲストや観客の皆さまをお迎えいたします。

ひたすらに映画を観て、語り、山形のうまいものを食する一週間。存分に映画に浸っていただけるよう、様々な形で準備を進めています。

 

「ドキュ山ユース」会場係ミーティングの様子

 

(文責:山形映画祭事務局)