この夏、山形大学から3名の学生の方が山形事務局でのインターンに参加してくれました。インターンの皆さんには、普段スタッフが行なっている事務作業や野外上映会の運営などを補助してもらう他、実習期間を振り返るレポートも作成してもらいました。山形映画祭にインターンに来たらどんな体験ができるのか?実際に体感したインターン生たちのレポートをご覧ください!

8月5日、山形ドキュメンタリーフィルムライブラリー試写室にて、第6回「山の日」全国大会 in 山形の応援企画「フィルムのなかの蔵王」が開催されました。戦前のアマチュア山岳映画、山形市広報ニュース、スキーを無くした少年の不思議な劇映画など、蔵王にまつわる短編を特集。往年の蔵王の姿が蘇る映像を6作連続上映しました。

「山の日」全国大会は2016年から毎年8月11日の祝日「山の日」に開催されています。山に親しみ、感謝するという「山の日」の趣旨の浸透や、山に関する歴史、文化、観光への関心の促進、環境保全、山岳遭難や自然災害時の対応、山の未来について考える機会とすることを目的としています。6回目となる今回は山形・蔵王が主会場となり、北海道・東北地方では初の開催となりました。本企画は山形の山、蔵王に関する映画の上映により大会を盛り上げることを狙いとして行われました。

 

ライブラリー入口の様子

上映に当たり、今回当法人と共にこの企画を主催していただいた一般財団法人 山形コンベンションビューローの常務理事である青木哲志さんよりご挨拶いただきました。青木さんは長年スキーを嗜まれており、蔵王に対する造詣がとても深い方です。蔵王への思い入れも強く、ご挨拶ではこれまでの蔵王の歴史に触れ、「ぜひ昔の蔵王の風景を楽しんでもらいたい」と話していらっしゃいました。

 

蔵王を語る青木さん。たくさんのお客様にご来場いただきました!

今回の企画では蔵王にまつわる短編映画・映像を6作品上映しました。

 

『Mount Zao(蔵王山)』

Mount Zao(蔵王山)』監督:塚本閤治/1935/サイレント/ビデオ(原版:16mm)/12分

『蔵王』
企画:山形市/1959/音声欠落/カラー/16mm/20分
後援:蔵王温泉/撮影:山川国雄/モデル:蔵王クラブ
録音:NHK山形放送局(音声欠落)
残念ながら音声テープは紛失されていますが、60年前とは思えない非常に美しいカラーで記録された蔵王。樹氷の様子も丁寧に撮影され、雄大な雪渓もとらえられています。

山形市広報ニュース No.2(正規版)』制作:山形市/製作年不明/日本語/モノクロ/ビデオ(原版:16mm)/11分
※YIDFF 2013 やまがたと映画で上映した『山形市広報ニュース No.1』『同 No.2』は、内容が混在したものであったことが判明。今回は「蔵王スキーカーニバル」のニュースを含む『山形市広報ニュース No.2(正規版)』を上映しました。

 

『山形市広報ニュース No.7』

山形市広報ニュース No.7』制作:山形市/1962/日本語/モノクロ/ビデオ(原版:16mm)/11分

 

『日本の詩情 樹氷と湯花』

『日本の詩情 樹氷と湯花』監修:宮本常一/制作:日経映画社/1965/モノクロ/16mm/12分
蔵王連峰の樹氷とスキーパトロール隊、ふもとの湯治場と薬である湯花とりの姿。

『蔵王の詩 赤いスキー』制作:山形市/1971/カラー(褪色)/16mm/24分
少年が無くしてしまったスキーを探す、独特の雰囲気を持った無言劇。グルノーブル国際山岳映画賞入賞。

どの作品にも当時の蔵王山、観光客や地元の人々の様子が多々映っており、お客様は懐かしみながらご覧になっていました。訛り全開で喋る子どもたちの愛らしさやコミカルさ、滑りに失敗して雪に突っ込んでしまうスキーヤーの様子には笑いが、美しい蔵王の風景や斜面を勢いよく降りていくスキーヤーの華麗な技術には感嘆の溜息がこぼれました。私も蔵王出身のため、親しみがありながらも見たことのない蔵王の昔の風景に見入ってしまいました。蔵王を思い出し、より深く知る機会になったと思います。

文章:斉藤那菜香(山形大学3年)