Yearly Archives: 2017
10/8(日)11:00
場所:山形美術館
お名前:アカネさん&アンナさん
昨日までの寒さはどこへ…?ぽかぽか陽気に恵まれて、映画祭4日目がスタート! というわけで、AZ七日町から歩いて10分程の場所にある、山形美術館にやってきました。 館内では作品上映中…。美術館前の広場をうろうろしていると、木陰でカタログを眺めている2人組を発見。
Q. Where do you come from ?
ANN.東京です。二人できました。映画祭は、私は4回目。
AKN.私は初めてです。
Q.おぉ、4回目!お好きなんですね。
ANN.池谷薫先生の生徒だった絡みもあって、何回か。
AKN.でも、ドキュメンタリー普段は見ないから(笑)映画祭じゃないと中々^^;
Q. ぜひ、普段は見ないドキュメンタリーの世界を楽しんでください^^ 今日は、どんな映画をみる予定ですか?
ANN.『山の焚火』(共振する身体―フレディ・M・ムーラー特集) AKN.『エクス・リブリス』(IC)とか『騒乱のレバノン』とかも面白そう
Q. 山形での楽しみは?
ANN.山形と言えば日本酒!学生の頃に参加したときに、香味庵でハマっちゃって。それ以降、もう、がんがん(笑)
AKN.香味庵かー、行ってみたいな。山形に来た目的は、映画祭の次に食べ物だもんね^^
Q. 最後に一言どうぞ
ANN&AKN.ホテルは早めに取ろうっ!
ANN. 前回来たときは2週間前でホテルが取れなかったの。だから今年は5月に取った!
AKN.1週間前に来ると決めた時にはもう。今回は、アンナさんに部屋を変更してもらってツインにしてもらいました。
ホテル、大切。
山形だからこその楽しみも、映画祭の一つですよね~! 映画もお酒も、存分に満喫していってください^^
山形美術館では「アフリカを/から観る」「やまがたと映画」「ともにある Cinema with Us」を中心に、ディスカッションなどの魅力的な企画をやっています!ぜひ足を運んでみてくださいね!
取材・構成 推名 夏未
本日、<共振する身体 フレディ・ムーラー特集>では、市民会館小ホールにて「パッサーゲン」「クリストファーとアレクサンダー」「灰色の領域」「山の焚火」を上映。開場前から待ちわびる方々でロビーも賑わい、「山の焚火」はおかげさまで満員御礼!明日はムーラーの「山三部作」最後の「緑の山」が15:30から市民会館小ホールにて上映です。みなさまぜひお早めにお越しください。
山形国際ドキュメンタリー映画祭の第1回目が開催された1989年以来、アジア・プログラムをはじめ映画祭グッズにも作品が登場し、当映画祭と深いかかわりをもつロックスリー。その彼がこれまで制作してきたポスターやチラシ、イラストなどを関係者等から集め、アジア千波万波特別企画として12日まで旧西村写真館にて一挙展示中です。旧西村写真館の時を重ねた空間にはまり込んだロックスリーの世界を、ぜひお愉しみください!
※入場無料。12:00〜17:00まで。最終日の10/12(木)のみ10:00〜13:00まで。
10/7(土)20:15
場所:山形市民会館
お名前:ジョン・ジャンヴィトさん
山形国際ドキュメンタリー映画祭2017、2日目! 各会場に向かうと、この映画祭に世界各国から人がやってきていることを実感。 みんなどこからやってきてるのかな? あ、海外から来たお客様を発見! 映画祭楽しんでますか~~?★
Q. Where do you come from ?
J.アメリカのマサチューセッツ州のボストンです。
Q.うんうん、ボストンですね。
J.Yeah…ゴソゴソ、This is my name…
!? えっ、『航跡(スービック海軍基地)』のジョン・ジャンヴィト監督!? なんと声をかけたのはジョン・ジャンヴィト監督でした(笑)! 監督は何をみたんだろう~??
Q. What did you watch?
J.『騒乱のレバノン』(政治と映画:パレスティナ・レバノン70s-80s)
Q. How did you feel?
J.フランスの映画だから、内容を全て理解するのは時間がいるけれど、本当に面白かった。 アメリカでは中々見られない作品で、こんな作品を観るために映画祭にきたから、観ることが出来てとても満足している。
Q. 沢山の作品の中から選ぶのは楽しいけれど心苦しいですよね。。。それでは話はかわりますが、How is Yamagata?
J.この映画祭は2回目だけど、とても素晴らしい映画祭だと思う。 素晴らしいプログラムが沢山あるから全て観ることが出来ないことがとても残念。
Q. Anything you would like to say?
J.政治的な、いま現実で起きていることを映画で観て知ることは大切だ。 それをこの映画祭でやっていることはミラクルなことだと思う。 そんな体験を沢山の人にしてもらいたい。
全ての質問に誠実に答えてくれたジョン・ジャンヴィト監督。 ドキュメンタリー映画祭ならではで、世界の問題に興味を持って、作品を観に来ていることがわかりました。 私も監督の姿勢を見習って、もっともっと勉強しなくちゃなと思いました^^; 監督の『航跡(スービック海軍基地)』も楽しみですね。8日の15時20分から中央公民館ホールで、9日の13時15分から山形市民会館です。皆様ぜひ!! 明日は、どこに行こうかな~?
取材・構成 永山 桃
モノクロの海辺で瓦礫の中に佇む一人の女性。かつてそこにあったものに思いを寄せ、聞き手=監督の問いかけに、淡々と、しかし精一杯に言葉を絞り出す。色を失った世界で、風の音だけが彼女を包んでいる。
宮城県南三陸町の波伝谷(はでんや)地区。あの震災という出来事が起こる前から、この地の人びとの営みに長年立ち会い続けてきた監督が、人びとの震災からの1年を中心に追った映画だ。そこでは、震災後の現在はモノクロームの光と影で映し出され、震災前の波伝谷の記録=記憶は、人びとの語りをとおして、鮮やかな色彩を帯びた世界として映し出されている。あの日を境に変わってしまったものと変わらないものとが、人びとの営みの中では地続きであるということが、いきいきと、そしてまざまざと映し出されることになる。
よそ者であり記録者であると自らを語る監督は、震災後もカメラを向け続ける行いが正しいのかどうかわからないと語る。それでも回り続けるカメラは、言葉を選びながら、その選んだ言葉から溢れ出そうになる思いを抱えて人びとが生き続ける様を映し出す。そこで人びとは思いのほか正直に、「もの」を「かたる」という行為に対する葛藤をさらけ出している。その姿は、カメラの前で絞り出された言葉たちの尊さと共に、その場では語られることのなかった思いもまた、人びとの中に同じ重みを持って折り重なっているということも示しているだろう。
印象的なシーンがある。海の男たちが一堂に会した宴の席で、その中の一人が監督からカメラを奪い取り、よそ者である監督に逆インタビューする。語り手と聞き手が反転する瞬間。それは、誰かを見つめ続けることが、見つめる相手から常に問い返され、自分自身を見つめ続けることでもあるということを思い出させる。そしてそのまなざしは、映画の観客である私たちにも絶えず注がれている。物語の間にはいつも、語られなかった「ものがたり」があり、それに思いを馳せることで、観客もまた、物語の形成に深く関わっている。
映画のクライマックスであり、最もドラマチックになりうる場面、それは、震災による中止を挟んで2年越しの復活を目指す獅子舞「お獅子(すす)さま」だ。「お獅子さま」を巡って人びとの様々な「願い」が、時に言葉となってぶつかり合い、時に語られることのないまま「揺らぎ」、カメラのこちら側の監督をも巻き込みながら、無事にこの行事が実現するのかどうかというサスペンスを抱えたまま映画は終わりに近づいていく。しかし、いよいよ復活を果たすことになった「お獅子さま」は監督のモノローグのみで語られ、これまでモノクロームで描かれてきた「現在」としては画面に現れない。語られない「ものがたり」。ぽっかりと空いた穴。その穴は、映画の最後、「お獅子さま」の2年越しの復活から更に時を経て、これまでカメラの前で語られることのなかった思いと共に振り返られ、語り直されることで、豊かな色を帯びて私たちの前に現れることになる。(佐々木愛)
本日も各会場で上映がスタートしています。山形市中央公民館ホールの本日の上映は2本。現在上映中のインターナショナル・コンペティション部門の原一男監督作品「ニッポン国VS泉南石綿村」は13:55の上映後、4Fにてサロントークを予定しています。2回目上映で最終の質疑の機会となります。ぜひお見逃しなく。
爽やかな秋晴れに恵まれて、本日、山形まなび館前にてドキュ山マルシェがはじまっています!早速映画祭のゲストも立ち寄り、生産者さんと話し込んでいるようす。無農薬のチャーミングな野菜やどんどん焼き、映画祭刺繍部による手作りのフィルム型タグなど、ぜんぶ早いもの勝ちです。お待ちしております!
山形国際ドキュメンタリー映画祭 2017では、フレディ・M・ムーラーの特集上映に合わせてオリジナルのトートバッグ(税込1000円)を販売しています! バッジは、フレディ・M・ムーラーと小川紳介のツーショット写真という山形映画祭ファンには垂涎のアイテム。デザインもポップで多彩です。
中央公民館6階と市民会館、山形美術館にて数量限定販売中です。ぜひお買い求めください!
本日、山形美術館にて、アニメーション作品「キミノヒカリ〜あさがおと加瀬さん。〜」監督の佐藤卓哉さんやプロデューサーの寺田悠輔さんをお招きして、山形国際ドキュメンタリー映画祭 2017と「あさがおと加瀬さん。」、山形の雑誌「月刊山形ZERO☆23」との連携による特別企画、「キミのヒカリに満ちた「世界」を求めて」のトークショーが行なわれました!
アニメーションクリップのチームの方々が作品に込めた想いや、計画から本格的に制作に移るまでの過程、様々な視点がある中でどの角度から物事を見てアニメーションとして切り取っていったかなどについて語られました。満席の会場からの質問にも答えながら、ドキュメンタリー映画祭の中であえてアニメーション作品を上映する意義についてもお話いただきました。
明日、山形まなび館にて10:00から12:00まで、山形国際ドキュメンタリー映画祭 2017 関連イベントとしてドキュ山マルシェが開催されます!新鮮な野菜や果物、映画祭オリジナル商品の「映画祭どら焼き」も限定販売。最上地域の観光案内コーナーも登場します。
明日のマルシェでは、ボランティアさんたちがチャレンジしているこちら長井市・山形工房さんのけん玉の展示・体験もあります。こちらのパンフレットは他言語対応で無料配布します。ぜひふるってお越しください!
冒頭、イタリア発の電車の中では、労働のために故郷を離れるのだろう男たちの姿があった。彼らの傍には家族写真や女たちの写真があり、その後土木工事に勤しむ労働者の中の1人の背中には、愛する女を模した刺青がある。そんな男たちの情景は、スイスの葬儀会社で働くこの映画の主人公・ジョバンとジョゼをも含む移民たちの姿を切り取ったものであり、その後、葬儀会社の暗い一室で、淡々と処理される1つの遺体の人生と歴史を想起させるものに他ならない。死んだ男が帰りたくても帰れなかった美しい場所に雪が降り積もり、その場所に縁もゆかりもなかった2人の男が故郷を去る歌を口ずさみながら通り過ぎていく。この映画は、故郷に搬送するという職務のため、彼らが遺体と共に旅をするロードムービーである。
多くを語る陽気なジョバンと、言葉少ない冷静なジョゼ。息の合う凸凹コンビだが、その会話は時折互いの人生の繊細な部分に触れ、にわかに緊張する。愛し愛される妻がいるジョバンと、離婚経験者のジョゼの愛の捉え方を巡る攻防は面白かった。ジョゼが黙り込んでしまったため、大雨とウィンカーの音がいっそう際だって聴こえる。黙り込むジョゼをチラチラと横目に見ながらスマホで音楽を奏でるジョバンが可愛らしい。
遺体の男が霊となって道中を見守っているに違いないと言うジョバンに対し、ジョゼはそのことを否定したが、遺体の男は確かに彼らの背後にひっそりと佇んでいる。男たちがホテルに入っていく姿を車内から見送るショットは、まるで、車に取り残された死者の視点がそこに存在しているかのようだった。遺体を引き渡した後、主のいなくなった車の後方から見える風景は、心なしかこれまでよりも早く、淡々と過ぎ去っていく。仕事の終わった男たちにとってそれからの道は、死者と共にあったそれまでの道のりと違い、それぞれの愛する人が待つ家路へと切り替わるのだ。彼らはじきにその男と彼の人生を忘れ、次の遺体と向き合うだろう。それが常に死と向き合う彼らの仕事なのだから。男たちの人生はこれからも続く。
海のないスイスの住人にとっては珍しい海の水を、ジョバンとジョゼは記念に持ち帰ろうとする。波が寄せるタイミングに合わせてペットボトルを必死に近づけるジョバンだが、水はなかなかうまく入らない。エンドロールでは、彼らが去っていった後の海の波の音だけが残る。彼らが持ち帰るペットボトルの中に残るのは海水のみで、波そのものではない。海が永遠だとすると、波はその瞬間を切り取ったものに過ぎない。それは、ジョバンが言う死後も続く魂、愛という永遠のものに対する、瞬間でしかない人生を表すとも言える。彼らがペットボトルの中に切り取ろうとした一人の男の人生、あるいはこの映画が切り取ろうとした男たちの人生の断片。やがて忘れられ、洗面所に捨てられるだろう、その水。
「心のまま好きなことをしろ、人は何千年も生きられないのだから」
ジョバンが死者のいなくなった車内で歌った曲の歌詞が、心に沁みた。(藤原奈緒)
ジョスリーン・サアブ監督来形キャンセルに伴う上映プログラムの変更について
ジョスリーン・サアブ監督来形キャンセルに伴い、10月7日19:20より山形市民会館小ホールにて上映する『騒乱のレバノン』の質疑応答はなくなりました。ご了承ください。
そのかわりとして、10月9日19:20より山形市民会館小ホールにて上映する『昔々ベイルートで』では、上映終了後、スカイプ中継による質疑応答を行います。
●9日[月・祝]19:20 山形市民会館小ホール
『昔々ベイルートで』※上映後、スカイプ中継による監督質疑応答